台灣人也不知道的台式國語

「日本人の知らない日本語」という日本語学校を舞台にした漫画がありましたが、

台湾版。タイトルは「日本人也不知道的日本語」

それを彷彿とさせるタイトルの本が売られていました。
「台灣人也不知道的台式國語」

邦題は本家にならうと「台湾人の知らない台湾式中国語」でしょうか。

「台式」は台湾式、「國語」は中国語です。
「台式國語」は台湾式中国語、つまり台湾でしか話されてない中国語です。

「台式國語」は私が持っている中国語の辞書には載ってないので、勝手な言い分ですが、結構やっかいです。推測するか、ネットで調べるか、地元の人に聞く、という方法で今まで台式国語の謎に立ち向かってきた私にとって、この本は救世主に見えました。
そうそう、こういう本、欲しかったんだよ!
(手持ちの辞書は中国大陸で使われる中国語の辞書のため、台式國語は載っていないのです。)

台式國語には日本統治時代に入ってきた言葉も多く、歴史と言葉は不可分なんだな、と改めて感じました。
それから香港から入ってきたり、ポルトガルやオランダからきた言葉もあり、言葉とは法則がなく何と複雑であるか、とも思いました。

さて、私は今まで「台湾でも中国語が使えるの?」という質問に「使えるよ!」と答えて来ましたが、台湾に住んで2年、どうもそう単純ではない、と思うようになりました。
そもそも漢字も、発音記号も違うし、場合によっては声調も、語順も違う言葉を「同じ」と言っていいのだろうか…、と。
例えば、漢字は旧字体を使い、発音はローマ字で表し、単語によってはアクセントが違い、文法も全てが同じではない日本語という言葉があったときに、「日本で話される日本語と同じである」とは言えないな、と思うのです。やはり「○○という地域で話される日本語」とわざわざどんな日本語か説明すると思います。
私が日本で、中国大陸で勉強してきた中国語とここ台湾で使われている中国語は「似ているけど、違う」、とやっと気づきました。
そう考えるようになって、今まで大陸中国語対応の辞書だけで済ませようとしていたのが間違いであった、との考えに到達しました。台湾の国語辞書を買おうと思います。