「なので」の違和感2

文頭に「なので」が来る言い方に違和感を感じていた、という話を前回書きました。

違和感を感じたまま調べないでいたのですが、先日読んだ本に文頭の「なので」が出てきました。
プロの方が書き、校正もされている本に使われているということは、違和感を感じているのは私だけなのか?

調べてみました。

まず辞書にあたります。
文頭の「なので」が載っていたのは以下の5辞書中、明鏡のみ。
スーパー大辞林、新明解国語辞典、広辞苑、精選版日本国語大辞典、明鏡国語辞典
私の手元にある明鏡は第二版で2010年出版と新しいものなので、比較的最近の言い方なのかもしれません。

それから、日本語の書き言葉のデータが検索できるサイト「少納言」を使って調べてみました。
「なので」で入力すると、理由原因を表す「なので」の他に、「〜なのです。」等の文末の「なので」もひっかかりましたが、その中でも文頭の「なので」は500件中6件のみ。
その6件の内訳はYahoo!知恵袋4件 Yahoo!ブログ2件、とネット上のものでした。
書籍、新聞、雑誌のデータもあるのですが、そこでは引っかかりませんでした。
正式な書き言葉ではなく話し言葉に近い形で使われることがある、という印象。

更にネットで検索。

アナウンサーの方の意見。
http://www.tv-asahi.co.jp/announcer/nihongo/labo/lab_012/body.html

文法的には間違いである、とはっきり言っています。
ただこの方の後輩アナウンサーはメールで使って怒られたことがある、と言っているように、以前は使っていたようです。

もうひとつ。今度はNHK。
https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/term/117.html

こちらでは文法的に間違いである、とは言っていません。
文頭の「なので」に関するあるアンケートをしています。
アンケート結果をみると、若い年代になるほど「自分でも使うことがある」人数が増えていき、反対に中高年層になると半分くらいの人が「問題がある」と考える傾向にある、ということがわかります。

この結果を見て、私も「中高年層」に仲間入りか、としみじみ。

調べた結果、年代によっては違和感を感じるということがわかりました。
若い層は高い確率で「自分でも使うことがある」と言っていることから、これからは一般的になる可能性があるかもしれません。

違和感を感じる人は他にもいる。
でも、若い人は違和感なく使っているようですし、アナウンサーでもないわけですから、自分では使わなくても許容していこうと思いました。
とかいって、無意識に自分でも使っていたりして。