『晩春』『宗方姉妹』

去年買った日本映画のDVDを少しづつ見てます。

溝口健二、黒澤明を見終わって、とうとう小津安二郎見始めました。
うっかりBOXを買ってしまい(安かったもんで)、なかなか見る時間もなく、買ってから一年以上経過しています。

買ったときは見たくて買ったんですが、時間が立つと、やらなければいけない宿題がたまっている気になり、何度か見ないまま捨てようかと思いました。(同じようにしてかったヒッチコックBOXは読み込めないDVDがあったのもあって、全部見ずに捨ててしまった。)

昨晩は『晩春』『宗方姉妹』を見ました。
捨てなくてよかったです。

『晩春』は現在でも評価の高い作品だそうですが(昨日ネットで調べて知りました)、笠智衆はもちろん原節子が素晴らしかったです。

知り合いのおじさんが後妻をもらったと知って、
「おじさま、不潔!」
と原節子がいうシーンがあるんですが、不潔といいながら、きらきらと輝くような笑顔なんですよ!

美人、すげえ。

と息を飲みました。
きっとこの娘はどんな言いにくいことだろうと、この笑顔とともに言ってきたのだろう、と思わせます。

そして、不潔と言われながら、「ははは」と笑っているおじさま。

お、怒らないのか〜。
そうか、大人だな〜。

あたしって小さい。
と自分が小さいことを知り、若干うろたえてしまいました。

しかし、原節子よかった。
前半は先ほどのシーンのように、怒っているシーンですら輝くような笑顔なのですが、後半になると一転して難しい顔をし出します。
前半の笑顔を知っているからこそ、笑顔が消えた原節子にはらはらします。

『宗方姉妹』もよかったです。
こちらは田中絹代と高峰秀子が姉妹役で出演しています。
高峰秀子は随筆を読んで知っていたのですが、映画に出ているのをちゃんと見るのはほぼ初めてでした。
まあ、可愛らしいこと。それから演技のうまさに舌を巻きました。
もちろん大スターであったことは知っていたし、演技がうまいことも聞いていたんですが、実際に目にして驚きました。
お尻の大きいところもよかったです。
三船敏郎が映画の中で暴れているのを見て、役者さんって顔だけじゃないんだなあ、と思ったんですが、高峰秀子も体に存在感がありました。