痒い…。手を腕を掻きむしりたい。掻くのを我慢していると、脳が痒さに侵されておかしくなりそうだ。

というのもこの週末、埔里の山の中で何十ヶ所と蚊に喰われてきたのだ。

「台湾のへそ」と呼ばれる埔里は、ちょうど台湾の真ん中にある。台北からはバスで3時間。

埔里の町から山を登ったところにある民宿に泊まった。豊かな自然に囲まれた宿は静かで、昼間はセミの鳴き声がし、夕方からは蛙の鳴き声が聞こえる。庭を蝶がひらひらと飛び、時折トカゲが姿を見せる。

部屋の大きな窓からは緑が見えて、いつまで見てても飽きない。
暑いのは午前中の一時だけで、徐々に涼しくなる。エアコンはいらず、窓を開けておくだけで十分涼しい。
食べ物は何を食べてもおいしくて、最高!

なのだが、ひとつ問題があった。
蚊だ。

私は埔里の蚊をみくびっていた。
山の中だからと、蚊よけスプレーを持っていったのだが、効かない。刺されると、いつまでも痒く、薬を塗った直後は痒みが収まるが、じきに、痒みが戻ってくる。腫れも収まらない。

結局、刺されないのが一番いい。そのためには極力肌を出さないようにするしかないのだ。
もしくは、地元の人のように刺されてもなんともない体質になるか…。しかし、そのためにはどれだけ滞在すればいいのか…。