本の話そのまた続き

センター試験を受けたことがない私は、センター試験というものにずっと薄っすらと興味を持ち続けていた。

オードリーの春日がセンター試験を受けたという話を聞いて、調べてみる気になり、インターネットで検索すると、過去問が出てきた。中国語があるのを見つけて、試しに解いてみようと印刷した。それ以外の科目で解けそうなのは国語ぐらいなので、国語も解いてみようという気になって国語の過去問も印刷した。

本当は他にやるべきことはあるので、それをやらないで過去問を解いた。今、現実逃避をしていると思いながら問題を読む。

学生時代ずっと国語の説明文が苦手だった。何度読んでも、何が書いてあるのか理解できなかった。二十年経って、ましになってるかと思ったが、国語の一問目の説明文の書いてある内容も問題の意味もさっぱり分からず、読んでも読んでも分からない感じは二十年前とまったく同じで、文を読みながら高校生のときと同じように気が遠くなった。

国語の二問目は小説で、そこに野上弥生子という文字を見て、既視感を覚えた。知らない作家だけど、最近見たような気がするなと思って、あっと声に出さず叫んだ。
二日前に読み終えた『私の「漱石」と「龍之介」』という本の解説に出てきた、日記の中で百輭と芥川龍之介を辛辣に書いた作家であった。
二日前に存在を知った作家に期せずして出会い、そこに意味があるような気になり、面白いような気味が悪いような気がしている。