把拔的廚房食譜

「把拔的廚房食譜」という台湾の小説を読みました。
邦題は「パパのキッチンレシピ」とでもしておきます。

博士号が取れずに、大学で教えながら論文を書いている30過ぎの男性が、10年近く離れて暮らしていた中学生の娘と突然いっしょに暮らすことに。
「学問がとりえのオタクのパパ」が育ち盛りの娘のためにあれこれ工夫して料理をする様子が書かれています。

一話ごとに違った料理を取り上げていて、料理名が各話のタイトルになっています。
ちなみにRECIPI01は「醬油拌飯」(醤油ご飯)と、今後の父娘の食生活が心配なタイトル…。

一話は数ページと短く、難解な言葉や言い回しも少なく、読みやすかったです。
そして、台湾の人がどういう風に料理をするのかも書かれていて、興味深かったです。
常々台湾の料理は脂っこくて、甘い、と思っていたのですが、ほとんどの料理に油と糖類を使っているのを読んで、やっぱりなあ、と納得。
みそ汁にまで砂糖を入れているのを知ったときは、名前はいっしょだけどもう別の物だと思おう!と考え方を変えた。

さて、このお父さんは台中の清水出身で本文に何度も清水という場所が出てくるのですが、そこの名物の米糕(おこわ)がなにやらおいしそう…。
ちょっと調べてみたら鄙びていて、よさそうなところだわ。というわけで、機会があったらぜひ訪れてみたいと思います。