続・忘年会

私が脇汗をかきながら必死で歌本をめくっていた頃、ステージでは豪華な衣装をまとった先生たち(たぶん服飾科の先生方)が、芝居のようなものをやっていました。舞台にクラッカーが仕込まれていたようで、最後は派手に終わっていました。

ああ、この先生たち、自分たちがトリだと思っているよな…。
と思って胃がしくしくしました。

紹介されて、思いの外楽しく歌って帰ってきたら、その後にもゲームと院長先生たちの歌があったので、ほっとしました。

歌ったご褒美か、その後のゲームの商品の石けん頂いたりして、歌って正解だった!と思いました。

こちらでの仕事が決まって日本に一時帰国した際に「もしも…あなたが外国人に「日本語を教える」としたら」という本を読みました。

この本の続編に、「外国では、必ず自分が困ることが出てくるから、頼まれたことはできるだけやったほうがいい。」ということが書いてあったので、私はこちらに来てから頼まれたことはすべて首を縦に振ってるんですが、今回は途中でだめかも、と思いました。実際、何度か断る方向に持ってこうとしたんですが、ことごとく失敗。

ナイトクラブでのイベントの後に、帰るもんだと思っていたら、同じホテル内の宴会場で食事が用意されていました。
そのときに、院長先生たちが飲み物持って各テーブルを回っていたのですが、私たちのテーブルに来たときに私に「祝你演出成功」(さっきの歌よかったね!)と言ってくださったので、うまく立ち回れたかな、とほっとしました。

この国では唐突に言われることばかりで、「前もって言ってください!」と目くじらを立ててもどうしようもない、ということは身に染みています。言われたときにはどう対処するか、を考えるようにはなったのですが、とっさの時はやはりどうにもならない自分がいます。

留学時に知り合ったスペイン人はとっさに何か一言、と言われても、さらっとそれらしいことを言っていたのを思いだし、そういう瞬発力が私には足りないな、と今回強く思ったのでした。

あと今回は百恵ちゃんに助けられましたが、次回に備えてとっさに歌える歌を中国語でも日本語でも準備しよう、と思いました。